「『夫』と書いてもらった書類は今までなかった。大村市に引っ越してきてよかった」
長崎県大村市から、続き柄の欄に男女の事実婚関係を示す際に使われる「夫(未届)」と記された住民票の交付を受けた松浦慶太さん(38)とパートナーの藤山裕太郎さん(39)は28日午後、市内で記者会見に臨んだ。
2人は少し緊張した様子で、お互いの表情に目配せしながら記者の質問に答え、時折笑顔を見せた。左手の薬指には銀色の指輪が光る。
2人は藤山さんの故郷である長崎県で暮らすことを望んでいた。今春、松浦さんが大村市で会計年度任用職員として働くことが決まり、3月に兵庫県尼崎市から引っ越してきた。地域おこし協力隊の一員として、大村市の情報をSNSに発信する仕事をしている。
2018年、インスタグラムで知り合った。当時、津市出身の松浦さんは横浜市に、長崎県諫早市出身の藤山さんは尼崎市に住んでいた。遠距離恋愛を続け、その年の末に尼崎市で同居した。
転機は、19年冬の深夜。松…